宇宙から届いた猫ビデオ、レーザー通信実験で地球へ送信 米NASA

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航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所のコンピューターの画面に映し出された動画/JPL-Caltech/NASA

航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所のコンピューターの画面に映し出された動画/JPL-Caltech/NASA

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は、宇宙空間を飛行中の探査機「サイキ」からレーザー通信を使って約3100万キロ離れた地球へ動画を配信する実験を行った。動画の主役は「テイターズ」という名前の猫。NASAがレーザーを使って宇宙空間から動画を配信したのは初めてだった。

超高解像度の動画に映った茶トラ猫のテイターズは、レーザーポインターの赤い光を追いかけてソファの上で遊び回っていた。

猫動画は深宇宙光通信(DSOC)実験の一環として、フライトレーザートランシーバーから地球に転送された。人類が火星などの探査を目指す中、この技術はいずれデータや画像、動画の高速転送に使われる可能性がある。

15秒の動画は近赤外線レーザーで圧縮され、探査機サイキから米カリフォルニア工科大学パロマ―天文台のヘール望遠鏡に送信された。同天文台で12月11日に動画がダウンロードされ、カリフォルニア州パサデナのNASAジェット推進研究所に各コマがライブ配信された。

  
      

動画が送信された当時の探査機サイキとヘール望遠鏡の距離は、地球と月の距離の約80倍。レーザー通信で地球への到達に要した時間はわずか101秒だった。

レーザーを使用すれば、NASAが普段使っている電波通信システムの10~100倍の速度でデータを転送できる。今回の実証実験は、近赤外線レーザーを使ったデータの送受信を試すNASAの広帯域レーザー通信実験としては、最も離れた距離から行われた。

サイキは10月に打ち上げられ、火星と木星の間にある金属の小惑星を目指している。

DSOCの記念すべき実験に猫動画が選ばれたのは、放送の歴史にも由来する。1928年に始まったテレビの試験放送には「猫のフィリックス」の漫画が使われていた。

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