地球の自転速度、極氷の融解が変化もたらす 新研究

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温暖化による極氷の融解が地球の自転速度に影響を与えているとの研究報告が発表された/Universal History Archive/Getty Images

温暖化による極氷の融解が地球の自転速度に影響を与えているとの研究報告が発表された/Universal History Archive/Getty Images

(CNN) 向こう数年間の内のある日、世界中の誰もが自分たちの時間を1秒失うことになる。それが具体的にいつ起きるかは人間の活動によって左右されると、新たな研究が明らかにした。極地の氷の融解が地球の自転に変化を及ぼし、それによって時間の推移そのものも変わるためだという。

1日の経過を規定する時間や分といった時間の単位は、地球の自転によって決まる。しかし自転は常に一定というわけではなく、地表や地球内部で発生する事象によりごくわずかながら変化することがある。

これらの変化はほとんど感知できないものだが、時々1日が1秒長い「うるう秒」を挿入して世界中の時計を調整する必要がある。ほんのわずかの時間とはいえ、その差はコンピューターシステムに大きな影響を及ぼす恐れがある。

これまで多くの秒が追加されてきたが、ここへ来て地球の自転はコア(核)で起きている変化のため加速している。そのため今後は初めて、1日を1秒間短くする必要が出てくる。

フランスに本部を置く国際度量衡局の時間を担当する部署に所属するパトリツィア・タベラ氏は当該の研究に添付された記事の中で、「マイナスのうるう秒は、過去に適用も試験もされたことがない。従ってそれがもたらし得る問題にも前例がない」と述べた。

しかし27日刊行の科学誌ネイチャーに掲載された研究論文によれば、それが具体的にいつ起きるかは地球温暖化によって左右される。極地の氷が融解することで、当該のうるう秒による調整が必要になる年は2026年から29年に先延ばしになると研究は伝えている。

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