スコッチ業界、スコットランド独立に懸念の声
ニューヨーク(CNNMoney) 英北部スコットランド独立への賛否を問う住民投票を18日に控え、スコッチ・ウイスキーの業界から独立を懸念する声が上がっている。
スコッチ・ウイスキー協会によれば、スコッチ業界は産地スコットランドが英国に帰属しているからこそ順調に発展してきた。住民投票で独立が決まった場合はどの通貨を使うことになるのかなど、不透明な要素がいくつもある。
メーカー各社はこれまで、世界第6位の規模を誇る英国経済の安定性や信頼性に支えられてきたが、独立すれば税金や関税関連の法律も変わる。
たとえば、現在は英国が欧州連合(EU)の単一市場に参加しているため欧州27カ国へ無関税で輸出することができるが、これが不可能になる恐れがある。
スコッチは英国が輸出する食品・飲料全体の4分の1を占める。1秒間当たり40本が出荷されている計算だ。英国は欧州以外にも世界各国と貿易協定を結んでいることから、スコッチの市場は現在約200カ国に及んでいる。ところが、スコットランドが単独で配置を計画している在外公館の数は70~90にすぎない。
英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドなど、一部の金融機関は独立が決まった場合、本拠をスコットランドから移すと表明しているが、スコッチのメーカーに移転の動きはみられない。地域とのつながりが非常に濃く、多くの村落が同業界の雇用に大きく依存しているためとみられる。