求む女性スパイ、「007」の発明の天才も女性だった 英MI6
ロンドン(CNNMoney) スパイ映画「007」シリーズの中でジェームズ・ボンドのためにさまざまな道具を発明する「Q」は、実在の英対外情報部(MI6)では女性だった――。MI6のアレックス・ヤンガー長官(通称「C」)がロンドン市内で行った講演でそんな事実を明らかにし、もっと多くの女性にMI6に就職してほしいと呼びかけた。
ヤンガー長官は25日、IT業界の女性を表彰するイベントで講演。「実在のQはあなた方に会う日を心待ちにしている。うれしいことに、実在のQは女性だ」と述べ、「MI6は我が国のあらゆる人材を幅広く採用している」とアピールした。
英情報機関は女性の活用に力を入れている。政府通信本部(GCHQ)も関心を高めてもらう狙いで、13~15歳の女子を対象に、インターネットで課題を解くサイバー競技会を実施していた。
情報安全保障委員会が2015年にまとめた報告書によると、公務員に女性が占める割合は53%だが、情報機関に限ると37%にとどまっている。
ただ、映画で描かれたジェームズ・ボンドのように、「スパイ」といえばまだ圧倒的に男性のイメージが根強い。ヤンガー局長の講演では、この問題を克服しなければならないと述べ、こうした現状は「特定の限られた人物だけがMI6に加わるという偏見に結びつく」と指摘。「性別は関係ない。関係あるのはあなたの人格と創造性、そして決意だ」と女性たちに語りかけた。