ISIS、イラク首都の空港に迫る シリアでも攻勢
(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」はイラク中西部アンバル州でさらに攻勢を強め、イラク首都バグダッドの空港からわずか25キロの地点まで迫った。
米軍のデンプシー統合参謀本部議長が、米ABCテレビとのインタビューで語った。米軍はISISの進撃を阻止するためにヘリコプターを導入し、低空からの攻撃を実施したという。
ISISはすでに同州の約8割を占拠している。州全体が掌握されれば、ISISの支配はシリア北部の本拠ラッカからバグダッドの入り口まで及ぶことになる。
アンバル州治安部隊の情報筋が13日、CNNに語ったところによると、州内でイラク軍の支配下に残っていた数少ない拠点のうち、戦略的に重要な州西部ヒートの基地で激しい戦闘があり、軍部隊が逃走した。
また当局によると、州警察トップが12日までに、車列を狙った爆弾攻撃で死亡した。
前線のイラク軍兵士と部族民兵らは訓練や装備の不足を訴え、米軍が地上部隊を派遣しなければ武器を捨てる構えとされるが、米軍は派遣の可能性を否定している。
ISISはシリアでも、トルコ国境に面したクルド人地域の要衝、アインアルアラブ(クルド名コバニ)の掌握を進めている。国境地帯のCNN取材班によると、13日はこれまでで最も激しい戦闘が展開され、銃声や爆発音が響いた。国境の検問所3カ所がすべてISISに占拠される事態が懸念されている。
一方、ISISに拘束されている英国人ジャーナリスト、ジョン・キャントリー氏の家族は、ISISが自ら設けていた通信ルートを絶ち、直接連絡が取れなくなっているとして、ルートの再開を求める声明を出した。