アイスランド首相が辞任 「パナマ文書」で批判浴び
レイキャビク(CNN) 世界各国の政治家や著名人らが絡むタックスヘイブン(租税回避地)の実態を示した通称「パナマ文書」が流出した問題で、オフショア(非居住者向け)企業へのかかわりを指摘されたアイスランドのグンロイグソン首相が5日に辞任した。
与党・進歩党のヨハンソン副党首がアイルランド国営放送(RUV)で発表した。ヨハンソン氏は自身が首相職を引き継ぐと表明。一方で党首は引き続きグンロイグソン氏が務めると述べたが、これは反発を招く可能性がある。
問題の文書は、タックスヘイブンでの会社設立を代行するパナマの法律事務所から盗み出されたもので、世界の現旧指導者らの名前が挙がっていた。同文書を公開した国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)の報告書では、グンロイグソン氏の関与も指摘されたことから、首都レイキャビクでは大規模な抗議デモが起きていた。
同市内では辞任発表後の5日夜にも政権交代を求めるデモがあり、参加者らは「ヨハンソン氏が後任に就くのではなく、新たに選挙を実施するべき」などと訴えた。
進歩党と連立を組む独立党のベネディクトソン党首は、ヨハンソン氏と会談して今後の協力態勢を協議するとの意向を示したうえで、それには数日かかるだろうと述べた。