サッカー名選手育成の鍵は脳トレにあり?
実際に、脳の力を高めて有力選手を育てようとする指導者も増えている。エリート選手の育成を専門とするサッカー・アイQ社の技術ディレクター、ケビン・マグレスキン氏はサッカー専門誌の取材に対し、「指導者は、サッカーが認知力のスポーツだということを忘れがちだ」「肉体と同時に選手の脳も鍛えなければならない」と指摘する。
サッカー選手の脳トレのパイオニアで、ベルギーのサッカーチーム、スタンダール・リエージュの学術ディレクターだったマイケル・ブルイニンクス氏は、「脳中心の学習」を重視して、若手選手の認知力を強化させるプログラムを考案。神経科学とサッカー技術に同程度の重点を置く。
両氏が脳トレの一環として取り入れている「オーバーロード(「過負荷」の意味)」は、運動しながら違う言語で話すことを要求したり、サッカーに関連した練習中にテニスボールを投げさせたりする内容。「脳のエングラム(記憶の痕跡)を発達させなければならない」とブルイニンクス氏は言う。
同氏の理論は、レアル・マドリードを率いるジョゼ・モウリーニョ監督も採用しているという。