ディズニー、「死者の日」を商標登録で非難集中 出願を撤回
(CNN) 米メディア・娯楽大手ウォルト・ディズニーがメキシコの祝日をテーマにした新作映画の公開に向けて、祝日の名称である「死者の日」の商標登録を出願したが、これに対し、インターネット上などで非難が集中。同社は12日までに出願の撤回を発表した。
死者の日は、メキシコや中南米の伝統的な祝日。毎年11月1~2日、死者の魂を弔う行事として、遺族や友人らが祭壇を設け、行列を組んで練り歩いたり、墓を飾って供え物を置いたりする。この行事は2003年にユネスコの無形文化遺産に指定され、近年は米国でも知られてきた。
ディズニーの子会社ピクサーは今秋、死者の日をテーマにした映画を公開する予定。ディズニーはこれに先立ち、スペイン語で死者の日を意味する「Dia de los Muertos」を映画の題名やおもちゃ、食品、衣料品などの関連商品に使う権利を得るため、今月1日に米特許商標庁に商標登録を出願した。
これに対し、中南米系団体などから「文化は売り物ではない」「文化の横領、搾取だ」とする反発の声が続出。ネット上の請願活動サイト「チェンジ・ドット・オーグ」では、登録阻止に賛同する2万1000人の署名が集まった。
ディズニーはその後、「題名の変更が決まった」として、出願を撤回した。批判を受けての決定かどうかには言及しなかった。
同社は11年にも、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラーディン容疑者を殺害した米海軍特殊部隊の「SEALチーム6」の商標登録を出願したものの、激しい非難を浴び、「海軍に敬意を表して」撤回した経緯がある。