人気作家トム・クランシー氏死去、66歳 「レッド・オクトーバーを追え」
(CNN) 「レッド・オクトーバーを追え」や「愛国者のゲーム」などの作品で知られる米国の人気作家トム・クランシー氏が1日、亡くなった。66歳だった。
クランシー氏の小説の発行元であるペンギン・グループが2日、明らかにした。死因は公表されていない。
クランシー氏の名を世間に知らしめたのは1984年の大ヒット小説「レッド・オクトーバーを追え」。90年には映画化された。
この映画で主役を務めたアレック・ボールドウィン氏は2日、「撮影に先だってトムと一緒に過ごした時間は、自分にとって最高の体験だった。トムは頭の回転が速く、すばらしい作家であるとともに本物の紳士だった」とその死を悼んだ。
担当編集者だったデービッド・シャンクス氏はペンギンの声明で、「彼は熟達の作家であり、現代スリラーの生みの親であり、現代において最も空想力豊かな物語作家の1人だった」と述べた。最後の作品となった「コマンド・オーソリティ-」は、12月に刊行予定だ。
クランシー氏は米メリーランド州ボルティモア出身。保険代理店の経営者を経て小説家になった。政治的陰謀や軍事的な戦術・技術を緻密に描いたサスペンスを得意とした。
内外の軍関係者にもファンが多く、彼らから得られた内部情報はプロットに生かされた。だが2003年のCNNとのインタビューで、クランシー氏は「商業的な理由から、国の安全保障を危険にさらすような内容を書こうと思ったことはない」と語った。
「英海軍の友人に、よそから聞いたある話をしたら、『いいかい、トム。生きている限りそれを2度と口にしてはならないよ』と言われた。だからその通りにしているんだ」とクランシー氏は述べている。