アップル、グーグル、フェイスブックが支配する世界――SFの悪夢は現実になるか
税金の問題も小さくない。米紙ニューヨーク・タイムズの報道によれば、S&P500種株価指数を構成するIT企業(アップル、グーグル、ヤフーなどを含む)が10年5月以降に世界で払った税額は、平均するとほかの業界より3分の1少ないという。
同紙の記事はアップルの税逃れ戦略にスポットを当て、「IT企業の中でもアップルの税金は低い」と報道。米ネバダ州、ルクセンブルク、英領バージン諸島といったタックスヘイブン(租税回避地)の拠点設置から、「ダブル・アイリッシュ」と呼ばれる複雑な税体系の利用に至るまで、同社は合法的な税の抜け穴を執拗に利用してきたと伝えている。
映画プロメテウスの結末がどうなるかはさておき、フェイスブック、グーグル、アップルのような企業が不自然な力と富を蓄え続けた場合、現実社会が不幸な結末を迎えることだけは確信を持って予想できる。
小惑星を探索したり、ロボットに私たちの仕事を肩代わりさせたりするのは大いに結構。だが巨大IT企業がその社会的責任を認識しない限り、私たちの現実の未来は、スコット監督の映画が描くSFの世界と同じような悪夢になりかねない。
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寄稿したアンドルー・キーン氏は英国系米国人の評論家。著書に「The Cult of the Amateur」などがある。