「人材求む」 米サイバー軍司令官がハッカーの祭典で勧誘
ラスベガス(CNNMoney) 米ラスベガスで開催されたハッカーの祭典「デフコン」に、米国家安全保障局(NSA)の長官で、米サイバー軍の司令官も務めるキース・アレクサンダー氏が登場し人材を募集したとして話題になっている。
アレクサンダー氏は27日、同イベントにTシャツ姿で登壇し、「この室内にこそ、サイバー空間を防衛するために我が国が必要とする人材がいる」と語り、有能なハッカーの採用に向けて期待を示した。
デフコンはハッカーたちの草の根の集まりから始まったイベントで、今回は1万6000人の参加が見込まれる。ハッカーのエリート達が集うことで有名で、登録バッジを持っているだけで技術的な栄誉とされる。
同じくラスベガスで26日まで開催されていたセキュリティー関係者のイベント「ブラックハット」では企業からのスーツ姿の参加者が多かったが、デフコンの参加者はTシャツ姿が多いのが特徴だ。
連邦政府とは微妙な関係を続けてきたデフコンにとって、アレクサンダー氏の登場は転換点となるかもしれない。
アレクサンダー氏は、「インターネットの父」の1人として知られるビントン・サーフ氏など連邦政府で働いていた経歴を持つ業界の著名人に言及しながら、「我々はインターネットを作った当事者の1人だ。そして今、我々はそれを守る立場にあり、あなた方が力となってくれると思う」と語った。
NSAはデフコンのために人員募集用の特別サイトを用意。そこには政府が募集する際には通常使わないような文言があった。「もしあなたが、過去に多少の『無分別な行為』をしたことがあっても、心配しないで」