権力に固執するアサンジュ氏、犠牲となったウィキリークス
(CNN) 内部告発サイト「ウィキリークス」創設者ジュリアン・アサンジュ容疑者が16日、再びマスコミをにぎわした。
性犯罪容疑での聴取を求めるスウェーデンに送還されるのを避けるため、アサンジュ容疑者はエクアドルへの亡命を求め、ロンドンのエクアドル大使館に2カ月近く滞在していたが、同日、エクアドル政府から「政治亡命」が認められた。
当初ウィキリークスは、インターネット上に存在する「無国籍の」報道機関として、他の報道機関が対処を余儀なくされる現地政府からの圧力を回避できると公言していた。そのウィキリークスの創設者が、ある国の政府の手から逃れるために、報道の自由が極めて制限されているとされるエクアドルに助けを求めざるを得なかったというのは極めて皮肉であり、悲しいことだ。
理論上、ウィキリークスはこの運命を回避できるはずだった。しかし、アサンジュ容疑者が、個人的な法的トラブルが浮上した後も、同組織の完全な支配の維持に固執したために、ウィキリークスも道連れとなってしまった。
スウェーデン当局が2010年8月20日にアサンジュ容疑者を性犯罪容疑などで国際指名手配して以来、ウィキリークスは危機的状況に陥った。かつてアサンジュ容疑者の右腕だったダニエル・ドムシャイトベルク氏が自著の中で次のように述べている。
本記事は「ウィキリークス革命―透視される世界」の著者、ミカ・L. シフリー氏による寄稿です。記事における意見や見解はシフリー氏個人のものです。