米サンフランシスコで深まる格差対立、グーグルバスが露呈
グーグルバスを巡っては、自転車用レーンをふさぐなどして交通の妨げになり、公共バスのバス停を占拠しているなどの批判が出ていた。企業が専用バスにかける金があるなら、公共交通機関の改善のために貢献すべきだとの声もある。
カリフォルニア州の公共政策研究機関などの調査によると、サンフランシスコの住民に占める貧困層の割合は23.4%。ハイテク大手の従業員でない限り、通勤には老朽化した公共バスやトロリーバス、列車などを利用するほかない。
家賃の上昇に伴って市内に住み続けられなった住民は、郊外に追いやられてますます公共交通機関への依存度を強めている。
もっとも、バスにはマイカー通勤の交通量を減らして渋滞や公害を防ぐ効果もある。「問題はバスにあるのではなく、公共交通機関の不備や、ハイテク企業の多くが公共交通手段のない郊外に位置していることにある」と専門家は指摘する。
問題は交通機関だけにとどまらない。高給取りのハイテク企業従業員の流入により、サンフランシスコの平均家賃は3414ドル(約35万円)に跳ね上がり、住宅価格は過去3年で22%上昇した。