米クアルコム、Wi-Fi速度を3倍にする新技術を発表
ニューヨーク(CNNMoney) 米半導体大手クアルコムは今週、家庭やオフィス、公衆ネットワーク上でWi-Fiの通信速度が現在の3倍に向上するという新技術に関する計画を発表した。
現在、Wi-Fiネットワークは一度に1台の端末にしか対応できず、ネットワークが複数のユーザーの間を素早く循環している状態だ。そのためネットワークに接続する端末が増えると、すべての端末の通信速度が低下する。
クアルコムが7年かけて開発した新技術は、利用の変化に迅速に適応するアルゴリズムを使って、ネットワークから複数のユーザーグループへの同時データ送信を可能にする。この技術は「MU-MIMO」と呼ばれる。
クアルコムは、MU-MIMO対応チップを無線ルーター・アクセスポイントのメーカーや、スマートフォン・タブレットなどのメーカーに販売する計画だ。
クアルコムによると、ネットワークとユーザーの双方がこの技術を使用すれば、通信速度は現在の2~3倍にアップするという。クアルコムのアセロス部門担当副社長トッド・アンテス氏によると、MU-MIMO非対応の端末がMU-MIMOネットワークに接続しても通信速度の大幅な向上は見込めないが、それでも多少の恩恵はあるという。
クアルコムは、向こう数カ月以内に同技術のデモを開始し、来年はじめに出荷を開始する計画だ。