がれきの中の生存者発見へ、NASAが新装置開発
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)の研究者が、災害現場などでがれきの下敷きになった生存者の心臓の鼓動を検知できる装置「FINDER」を開発した。生存者の早期発見につながると期待されている。
FINDERは、低出力の電波信号を使って人の動きを検知する。最大で深さ約12メートルのがれきに埋まった生存者の発見が可能。たとえ意識を失っていても、心臓が鼓動する時のかすかな体の動きを検知できるという。
同装置が探すのは人の心臓の鼓動と一致する信号のみ。風に揺れる木の枝や、ネズミのように心拍が速い動物などの動きには反応せず、人の生命の兆候だけをピンポイントで特定できる。
使い方は5分程度で習得でき、使用準備はわずか数分で整う。本体に搭載したパソコン上で「捜索」ボタンを押すと、30秒後には半径30メートル以内で見つかった心臓の鼓動数が表示される。小型のケースに収めて飛行機で運ぶことも可能だ。
がれきの下敷きになった生存者を救出できる時間は限られており、FINDERを使えば捜索作業の効率化が期待できる。
米国土安全保障省は2010年にハイチを襲った大地震の後、こうした災害現場で活用できる技術の開発を目指していた。そこで白羽の矢が立ったのがNASAジェット推進研究所のジェームズ・ラックス氏。同氏はかつて米軍のために、戦場で倒れた兵士の生死を判別する装置の開発を手がけた。