氷水かぶりの寄付142億円、世界で1700万人参加
アトランタ(CNN) バケツいっぱいの氷水を頭からかぶって筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の支援を訴える「アイス・バケツ・チャレンジ」が米国で始まってから15日で1年。米ALS協会が集まった寄付の金額や使途を明らかにした。
同キャンペーンの参加者は世界で1700万人を超えた。米国では250万人が総額1億1500万ドル(約142億円)をALS協会に寄付。同協会によれば、災害被災者支援などの募金を除いて1度にこれだけの寄付が集まったのは恐らく初めてだという。
1億1500万ドルのうち、67%に当たる7700万ドルはALSの研究や治療法確立を目指す各種の研究プロジェクトに充てられる。
現時点でALSの治療法はなく、ある程度の延命効果が認められる薬品は1種のみ。患者は脳と脊髄(せきずい)の神経細胞が死滅して筋肉と神経の接続を断たれ、ALSと診断されてから平均2~5年で呼吸ができなくなって死亡する。
患者の支援のためには2300万ドルが割り当てられた。ALS協会の39支部に予算を配分して患者のコミュニケーション支援や杖、車いすといった装具の提供に充てるほか、ALS治療センターへも予算を配分する。
このほかALSに関する啓発活動に1000万ドル、アイス・バケツ・チャレンジで盛り上がった支援運動継続のために300万ドルを配分。残る200万ドルはクレジットカード決済やウェブサイト対応といったキャンペーン関連経費に充てられた。
ALS協会ではアイス・バケツ・チャレンジを一過性のキャンペーンで終わらせないために、「治療法が確立されるまで毎年8月にこの運動を実行し続けよう」と訴えている。