米国の肥満率、全州で44%超え 2030年予測
一方で、全米の成人が減量に努め、体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割ったBMI(体格指数)の平均を5%下げられれば、肥満に関連するがんを人口10万人当たり100件余り予防することができる。カリフォルニア州を例に取ると、約80万人の糖尿病、約66万人の脳卒中や心臓病が予防できる計算。その結果、各州で6.5~7.9%の医療費削減が可能になるという。
ただ、肥満率の推移を正確に把握することは難しい。アラバマ大学の生物統計学者、ジョージ・ハワード氏は、CDCのデータが電話での聞き取り調査で収集されたことに注目。
体重を聞かれた時にうそをつき、肥満の事実を隠したケースも考えられると述べた。米南部で特に肥満率が高く出ているのは、「南部には肥満を恥じる風潮がなく、だれもが正直に回答したからではないか」と、同氏は指摘する。
また、CDCの調査対象に11年以降、携帯電話が含まれるようになった点にも注意が必要だ。その前後の数字を単純に比較するわけにはいかないからだ。
しかし、アラバマ大学バーミンガム校の専門家、デービッド・B・アリソン氏は「たとえ予測が外れて肥満率が自然に低下したとしても、ゼロになることはあり得ない」と指摘。算出される数字がどうであろうと、肥満を防ぐための対策は必要だと話している。