米無人偵察機で民間人の犠牲大 「重要攻撃目標」わずか2%
(CNN) 米国がパキスタンでテロ掃討に使っている無人偵察機は、米政府が認めている以上に多くの市民を殺傷したり心的外傷を負わせている一方で、重要人物の殺害にはほとんど効果を発揮できていないとする調査報告書が25日に発表された。
報告書はスタンフォード大学とニューヨーク大学のロースクールがまとめたもので、英ロンドンの調査報道機関TBIJの統計を引用し、2004年1月~12年9月にかけてパキスタンで無人偵察機によって殺害された2562~3325人のうち、民間人は474~881人を占め、そのうち176人は子どもだったと指摘した。負傷者は1228~1362人に上った。
無人偵察機が殺害した人物のうち、「重要攻撃目標」とされた人物の割合はわずか2%にすぎないといい、米政府が無人偵察機を「米国を安全にするための極めて正確で効果的な道具」と位置付けているのは事実に反すると批判。実体として「米国の無人偵察機が民間人を殺傷していることを示す重大な証拠がある」とした。
目撃者や被害者、専門家などの証言からは、米中央調査局(CIA)が無人機を使い最初の攻撃から時間をおいて2度目の攻撃を行う「2段階攻撃」により、現場に駆け付けた人などが犠牲になっていることも分かった。
パキスタン北西部の部族地域の住民は、無人偵察機が上空を飛ぶ音をひっきりなしに聞かされ、心的外傷を負っているという。