米上院が銃規制強化法案を否決 大統領「誰の代表か」
ワシントン(CNN) 米上院(定数100)は17日、オバマ政権が実現を求めていた銃規制の強化法案を54対46の反対多数で否決した。可決に必要な60票を得られなかった。
法案には銃購入前の身元調査の拡大や軍用の攻撃兵器を模倣した半自動ライフルの禁止などが盛り込まれていた。
今回、投票が行われたのは当初案に対する反発を受けて民主党議員が提出した修正案。しかし、銃規制反対の圧力団体・全米ライフル協会(NRA)の影響もあり、共和党の多くの議員と銃規制に批判的な州選出の民主党議員が反対票を投じた。
否決は確実とみた民主党のハリー・リード院内総務も反対票を投じた。これは後日、法案の再審議を求める権利を手にするためだ。
裁決後、オバマ大統領はNRAと反対した議員を厳しく非難。「銃のロビー団体とその仲間たちはこの妥協案を支持しないどころか、法案について故意に虚偽を申し立てた」と述べた。
大統領は世論調査で規制の強化案への支持が90%に上ることに触れ、「ワシントンにとって非常に恥ずべき日」だと述べるとともに、「いったい誰の代表として議会にいるのか」と議員たちに問いかけた。
記者会見には2011年の銃乱射事件で重傷を負ったガブリエル・ギフォーズ元下院議員や、昨年末にコネティカット州の小学校で起きた乱射事件の被害者の家族らも同席。ギフォーズ前議員と夫のマーク・ケリー元宇宙飛行士は声明で「(上院は)アメリカ国民の意思を無視した。有権者ではなく、強力な企業系の銃規制反対ロビー団体の指導者たちの言いなりになった」と批判した。
今後も上院では、銃の密売に対する規制強化を含む広汎な銃規制強化案の審議が予定されている。