放射性廃棄物施設で異常値観測 米ニューメキシコ州
(CNN) 米エネルギー省は、ニューメキシコ州カールスバッド郊外にある放射性廃棄物の処理施設で空気中の放射性物質の異常値を示す警報が鳴り、緊急措置を講じていたことを明らかにした。
エネルギー省報道官によると、廃棄物隔離試験施設の地下約800メートルにある隔離区域で14日午後11時半ごろ、空気中の放射性物質の濃度上昇が観測された。これを受けて同施設は、ろ過された空気の外部放出を直ちに中止する措置を取ったという。
同施設で今回のような事態が発生したのは初めてだといい、エネルギー省などが原因を調査中。対応が早かったことから周辺地域に危険が及ぶことはなかったと説明している。
同施設では、換気装置で空気の状態を常時監視しており、放射性物質の流出が疑われる場合は自動的に「ろ過モード」に切り替わるという。
アラームが鳴った時、地下には誰もいなかったといい、発生時刻や場所から判断すると、地上にいた従業員にもほとんど危険は及ばなかったとエネルギー省広報は説明する。従業員は一時的に隔離されて検査を受けた後に、放射線管理技師の許可を得て帰宅した。
負傷者の報告はなく、トラブルが起きたと思われる区域は封鎖されたという。
ニューメキシコ州選出の上院議員は、職員や周辺地域の住民の安全を最優先しながら、引き続き状況の推移を見守ると表明した。