チャドに米兵80人派遣、ナイジェリア拉致生徒の捜索へ
(CNN) ナイジェリアの学校から女子生徒200人あまりが拉致された事件で、米政府は21日、捜索活動を支援するため米軍兵士80人をナイジェリアの隣国チャドに派遣したと発表した。
米軍はナイジェリア北部と周辺地域で情報収集活動や偵察活動を支援する。拉致事件解決に向けた支援が必要なくなるまでチャドにとどまる予定だという。
米国防総省当局者によれば、捜索には無人偵察機「プレデター」を投入し、派遣した米兵の約半数は同機の運用を担当。残る半数はチャドで地上の安全を確保する。
同省のカービー報道官は、「チャドに送り込んだのは戦闘歩兵部隊ではない」「偵察活動の支援のために派遣する」と強調した。
女子生徒は先月、イスラム過激派「ボコ・ハラム」によってナイジェリア北部の学校から拉致された。その後チャドやカメルーンに連行されたとの情報もあるが、はっきりした所在はつかめていない。
カービー報道官はチャドに部隊を派遣した理由について、「地理的に優れている」と説明し、米国とチャド政府は良好な関係にあると付け加えた。
一方、ナイジェリアは同日、国連に対し、ボコ・ハラムをアルカイダ系の国際テロ組織に指定するよう要請した。承認されれば各国が同組織に対する武器禁輸や渡航禁止、資産凍結などの措置を講じることが可能になる。米政府は昨年の時点で既にテロ組織に指定している。