月に米軍基地の極秘計画、核実験の構想も 1960年代の文書公開
計画では1964年に基地の建設に着工し、5年後に完成させる構想を描いていた。
しかし実際には人類初の月面着陸は1969年7月にずれ込んだ。月に人類を送り込んだのは米軍ではなく、米航空宇宙局(NASA)だった。
米国とソ連の核軍拡競争が月にまで拡大する可能性もあった。計画の中で米軍は、月面で核爆弾を爆発させることの是非を科学的、軍事的、心理的な観点から検証し、「最大の目的は米国の力を世界に見せつけることにある」と述べている。
しかしこの構想は後に、危険が大きすぎるとして打ち切られた。1967年には国連が採択した月を含む宇宙での核兵器使用を禁じた宇宙条約が発効した。
1960年代は冷戦と宇宙競争を通じて技術の進歩が加速した時代だった。米軍や情報機関が月の軍事利用や情報収集への利用について詳細に検討した記録も存在する。
文書はジョージワシントン大学が入手して、国家安全保障に関する記録を集めたウェブサイトに収録した。