抗議デモが全米各地へ波及、一部で暴徒化も 黒人少年射殺
ミズーリ州ファーガソン(CNN) 米ミズーリ州ファーガソンで8月に起きた黒人少年射殺事件で、白人警察官を不起訴とした大陪審の評決に対し、抗議の動きが全米に広がっている。
24日夜に発表された評決は全米で波紋を呼び、少年や遺族に同情を示したり、警察の暴力や偏見を非難したりする声が広がった。25日には、米国やカナダの130カ所以上の都市で抗議集会が予定されている。
事件が起きるまで無名の地方都市だったファーガソンでは、24日夜から翌朝にかけて暴徒化したデモ隊が放火や略奪を繰り返し、警官隊と衝突。大通り沿いに並ぶ店舗や自動車販売店の車が炎に包まれ、略奪された個人商店の前の道路は飛び散ったガラス片で覆われた。
地元警察責任者は「正体不明の銃声が100発以上聞こえた」と話すなど、事件直後に同市で起きた暴動をはるかに超える規模となった。
近くの病院では25日午前4時までに6人の負傷者が手当てを受けたが、重傷者は出ていないという。
ファーガソンの警察は違法集会や侵入盗、銃器の不法所持、放火の疑いで少なくとも61人を逮捕した。
ミズーリ州のニクソン知事は、現場の州兵の数を700人から2200人に増強する指示を出した。これに対してファーガソンのノウルズ市長は25日、州兵をもっと早く出動させるべきだったと主張した。
大陪審では白人9人、黒人3人の陪審員が、目撃者ら60人と検視官3人から証言を聞いた。審議内容を記録した膨大な量の文書が公開されたものの、事件の経緯を巡っては今も議論が続いている。