米議会、戦闘機F22の生産再開を検討 輸出も視野に
(CNN) 米下院の小委員会は30日までに、コスト増大を理由に生産中止となっていた最新型戦闘機F22の再生産に踏み切った場合の財政負担や増産の工程上での難点などの説明を求める条項を国防関連法案に盛り込んだ。
また、F22を同盟国に売却可能となる選択肢の在り方の検討も要請している。敵レーダー網を回避出来るステルス機能を持ち、第5世代の戦闘機とも位置付けられるF22の輸出は現在禁じられている。
同小委のマイク・ターナー委員長(共和党)は再生産の是非に関する検討は米国の空軍戦力の優位性を問う上で有意義な議論になるとし、ロシアと中国の脅威が高まる中でその可能性を探ることは価値があると主張した。小委の要請は近く下院軍事委員会で審議される見通し。
北欧のバルト海などでは最近、ロシア軍戦闘機が米軍偵察機や駆逐艦に異常接近する事態が多発していた。
F22については2009年、当時のゲーツ国防長官が1機当たり4億1200万ドル(現在のレートで約438億円)を要する高額の製造費を理由に生産中止を決断。米国防総省は当初、計749機を調達する予定だったが、188機を製造した時点で打ち切られていた。同機の製造元はロッキード・マーチン社。