ISISに拉致された女性、米議会で証言 国際社会に対応訴え
ワシントン(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に拉致された経験を持つイラクの少数宗派ヤジディの女性が21日、米上院国土安全保障委員会の公聴会に出席し、米国はISISに対する攻勢を強める必要があると訴えた。
証言に立ったナディア・ムラドさんはISISに拉致されて性奴隷状態に置かれ、2014年に脱出した。公聴会では通訳を介し、「米国は行動しなければならない。ダーイシュ(ISISの別名)などのテロをすべて終わらせなければならない」と強調。「ダーイシュは私たちが強制的に武器を手放させない限り、武器を手放さない」「ヤジディの人たちはもう待てない」と語った。
米国など各国に対しては、「イラクとシリアの宗教的少数者のための安全地帯を設置」するよう促し、キリスト教やヤジディなど中東の少数宗派は「保護しなければ全滅させられる」と危機感を示した。
フロリダ州オーランドで49人が射殺された事件にも触れ、犠牲者に哀悼の意を評す一方で、「もしISISを止めなければ、彼らはあらゆる場所に犯罪をもたらすだろう」と警鐘を鳴らした。
自身を含むヤジディの女性数千人は、ISISに拉致され、レイプされたと証言。兄弟6人と母親はたった1日でISISに処刑されたという。