米国の無人偵察機に抗議デモ、当局が行く手阻む パキスタン
パキスタン・イスラマバード(CNN) 米国の無人偵察機により民間人に死傷者が出ているパキスタンで、6日から7日にかけて、無人偵察機の攻撃中止を訴えるデモ行進が行われた。
デモ行進はクリケットの元スター選手、イムラン・カーン氏が主導し、100台以上の車列で6日に首都イスラマバードを出発。無人偵察機が使われている部族地域の南ワジリスタンを目指した。デモ行進には米国の反戦団体も参加した。
しかし地元当局者によれば、当局は7日、治安部隊を配置し、輸送コンテナを積み上げるなどして同地域につながる道路を封鎖した。
行く手を阻まれたカーン氏は、デモ隊に引き返すよう指示。報道陣に対し、「ワジリスタンでの不法かつ非人道的な無人偵察機攻撃により、罪のない多数の人たちが死亡しているということを、世界中に知ってもらいたかった」と語り、注目を集めるという目的は達成したとの見方を示した。
米政府は部族地域に武装勢力が潜伏しているとにらみ、無人偵察機を使った攻撃を強化している。米当局者は、無人偵察機は武装勢力の掃討に効果を発揮できるとする一方で、民間人が犠牲になることはほとんどないと主張してきた。これに対してカーン氏は、無人機による攻撃はパキスタンの主権を侵害するものであり、武装勢力の米国に対する反感に火を注ぐだけだと訴えている。
パキスタン当局は当初から、デモ隊の南ワジリスタン入りを許可しない方針を示していた。