フィリピン世界遺産環礁で座礁の米掃海艦 除去に2カ月必要
(CNN) フィリピン南西部パラワン島近くの「世界遺産」指定のトゥバタハ環礁で起きた米海軍掃海艦「ガーディアン」の座礁で、フィリピンの沿岸警備隊は6日、同艦の除去作業には2カ月かかり、終了は今年4月になるとの見通しを示した。国営フィリピン通信(PNA)が伝えた。
米海軍は、ガーディアンの船体を切断してクレーンで他船舶に載せ、環礁から運び去る計画を進めている。座礁は今年1月17日、比の国立公園でもある同環礁で発生した。
比沿岸警備隊のイソレナ少将は、環礁に新たな被害が生じないよう撤収作業が早期に開始されることを期待すると表明した。サンゴ礁の生育や3月から本格化するダイビングなど同環礁の観光シーズンへの悪影響などが懸念されている。
PNAによると、クレーン搭載の船舶1隻が既に現場海域に到着し、別の1隻も向かっている。
座礁を受け、米海軍は比当局に謝罪を表明し、環礁を傷つけたことを認めた。PNAによると、被害の面積は約4000平方メートルに及ぶ。ディーゼル燃料油約57キロリットルは既に抜き取られている。比側は損害賠償を求める方針を示し、米国の駐比大使は4日、適切な賠償に応じる考えを表明した。
ガーディアンの全長は約68メートルで、重量1312トン。座礁で船腹に亀裂が入って相当量の海水が船内に入り込み、除去作業を困難にした。乗組員79人は事故後に他の船へ退避していた。