アフガンの米特殊部隊に殺人や拷問の疑い 米軍が調査開始
(CNN) アフガニスタン当局は25日までに、中部ワルダク州で米軍の特殊部隊とみられる武装グループが住民への残虐行為や殺人を繰り返しているとの見方を明らかにし、同州からの部隊撤収を求めた。米軍は詳細を調査中としている。
アフガンのカルザイ大統領が率いる国家安全保障会議で、大統領府が声明を発表した。「ワルダク州で武装グループが無実の住民に対するいやがらせや虐待を繰り返し、殺人まで犯している。このグループは同州に駐留する米特殊部隊と特定された」との内容。だれが「特定」したのかは明らかでない。
声明は犯行の例として、同部隊による1度の作戦行動で9人が行方不明となったケースや、夜間に自宅から連れ去られた学生が虐待の末のどを切られて2日後に遺体で見つかったケースを挙げ、地元住民が強い怒りと反発を示していると指摘。「米国側は特殊部隊の関与を否定しているが、アフガン軍には残虐行為を阻止して住民を守る責任がある」と強調した。
これに対し、アフガン駐留米軍と国際治安支援部隊(ISAF)は声明で「不正行為の訴えはすべて深刻に受け止め、事実関係の調査に力を尽くす」としたうえで、アフガン当局側と話し合うまでは「これ以上コメントできない」との立場を示した。
アフガンと米国の両当局の間では昨年4月、アフガン駐留の米特殊部隊について、アフガン当局の許可がなければ作戦を実行できず、指揮はアフガン特殊部隊に任せて訓練や支援活動に徹するとの取り決めが成立していた。