ローマ法王、一般謁見で最後の別れ 晴天や荒波の日々と述懐
ローマ(CNN) 28日夕に退位するローマ法王ベネディクト16世は27日、バチカンのサンピエトロ広場で最後の公式行事である一般謁見に臨み、自らの在位時代を振り返り、「多数の晴天の日々もあったが、主が眠っているかのような荒波の日もあった」と異例の私的見解も吐露した。
その上で、「教会が荒波を進む時、神は沈むことを受け入れないだろう」とも説いた。在位中に直面した教職者による児童への性的虐待疑惑やローマ法王庁を揺るがした汚職疑惑などを荒波の言葉に込めたとみられる。
法王庁当局者によると、この日の一般謁見用に配られた入場券は5万枚。しかし、最大で20万人の信者が集まることを想定した準備もしたという。
法王は専用車に乗って詰め掛けた信者にあいさつした後、広場内に設けられた演壇上で最後の別れを述べた。謁見が終わった際、広場を埋めた数万人規模の信者からは歓声が沸き上がった。
法王はこの中で、法王に8年前に選ばれた時の心境に言及し、神の導きを祈ったと明かし、それ以降、神の存在を「毎日」感じ取ったと述懐した。