フィリピン最高裁、避妊普及法に施行延期命令
(CNN) 政府予算による避妊法の普及や性教育を可能にするフィリピンの新法について、同国の最高裁判所が19日、施行延期を求める命令を出した。
国営フィリピン通信(PNA)によると、最高裁は反対派の意見を聴く時間が必要だとして、施行を120日間遅らせるよう命じた。
新法は昨年12月に議会で可決され、アキノ大統領が署名した。大統領府は当時、国論を二分した問題に決着がついたと宣言したが、最高裁の判断を受けて議論が再燃しそうだ。
フィリピンでは国民の8割以上を占めるカトリック教徒を中心に、避妊への抵抗感が強い。国家が夫婦間のプライバシーに立ち入るべきではないとの意見もある。
PNAによると、北部ソルソゴン州のカトリック司教は最高裁の判断について「私にとっては良い知らせであり、勝利だ」「新ローマ法王フランシスコ1世も延期を歓迎されるだろう」と語った。
これに対して賛成派の上院議員は、「国民に性生活を管理し、家族計画を立てるという選択肢を提供することによって、貧困の悪循環から救い出すことができる」と主張している。