フランスで2人目の新型ウイルス感染者、1人目と同室に入院
(CNN) フランス保健省は12日、同国内で2人目の新型コロナウイルス「NCoV」感染者が確認されたと発表した。この患者は、同国で最初に感染が確認された男性と同じ病室に入院していたことがあるという。
保健省によると、この患者はフランス北部バランシエンヌの病院で4月27日から29日まで、同国で最初にNCoVの感染が確認された男性と同じ病室に入院していた。現在はリールの大学病院で隔離されているという。
新型ウイルスのNCoVは、重度の呼吸器系の症状を引き起こすウイルスの新種で、世界中で感染が問題となった重症急性呼吸器症候群(SARS)のウイルスと関連があるという。最近になって初めて人への感染が確認され、主にサウジアラビアを中心とする中東で感染が報告されている。
世界保健機関(WHO)によると、これまでに感染が確認された31人のうち、少なくとも18人が死亡した。
WHOは12日、複数の国で別々に集団発生が起きている実態を受け、NCoVが人から人へ感染する可能性がさらに高まったとの見方を示した。
米疾病対策センターによれば、NCoVは重度の呼吸器系の症状を引き起こし、肺炎や腎不全に至ることもある。SARSの場合は2004年までに終息宣言が出されたが、「新型ウイルスはSARSのウイルスとは異なる」とWHOは指摘。「互いに異なっていながら関連があるため、世界的に懸念が強まっている」とした。
WHOによると、これまでに感染が確認された患者はほとんどが、他の病気も抱える高齢の男性だという。重症化していない段階で感染を確認するのが難しいことから、感染者の正確な数は把握できていない。
フランスで最初に感染が確認された患者はアラブ首長国連邦から帰国した男性で、パスツール研究所が8日に感染を確認。保健省は、この男性と接触のあった124人を特定している。