ビル倒壊現場の捜索終了、1127人の遺体を収容 バングラデシュ
バングラデシュ中部サバール(CNN) バングラデシュ軍は13日、首都ダッカ近郊サバールのビル倒壊現場での遺体捜索作業を終了すると発表した。20日間に及んだ作業で生存者2438人を救出、1127人の遺体を収容した。
現場向かいのビル内に設けられた本部では毎日、発見された遺体の数がボードに書き込まれた。100体を超える日もあったが、この数日間はめっきり少なくなり、13日の数字はゼロ。軍幹部は「全員を捜し尽くした」と宣言した。14日には地方当局が現場を引き継ぎ、片付け作業に入る。
ただ、倒壊当時、ビル内の5つの縫製工場にいた従業員らの正確な数は分かっていない。少なくとも98人は依然として安否不明のままだ。一方で身元不明の遺体59体についてはDNA鑑定が行われている。引き取り手のいない230体の遺体は、市民団体がダッカに埋葬。頭部や手足だけが見つかったケースもある。
ビルのオーナーは倒壊の前日、建物の亀裂を指摘されて、「このビルは100年もつ」と言い放っていたとされる。インドへ逃れようとしたところを逮捕されたこのオーナーに対し、極刑を求める声が集中している。
同国の衣料品業界全体の労働条件を見直す動きも出始めた。政府は最低賃金引き上げを検討する委員会の設立を発表。13日には、従業員の生命保険加入を定める新法の草案が閣議で承認された。