シリア向け兵器積載か、地中海にロシア艦船3隻 米国防総省
(CNN) 米国防総省当局者は5日、シリア内戦に関連しアサド政権向けとみられる兵器を積んだ可能性があるロシア軍艦船3隻を地中海東部で確認したことを明らかにした。米情報機関の情報としている。
国防総省当局者によると、水陸両用船の3隻はロシアを数日前に出港。これ以降、米衛星が動向を追跡してきた。船上にコンテナとみられるものを発見したという。
ロシアがシリアに供与を約束したとされる地対空ミサイルS300の部品や他の兵器を積載している可能性もある。シリア政府が増強を望んでいるとされる軍事用ヘリコプターを積んでいる形跡はないという。
米政府はここ数週間、ロシアに対しシリアの対空防衛力を強化する同ミサイルの供与を見合わせるよう要求してきた。引き渡した場合、将来的にシリアの地上の標的破壊に出動する可能性がある米国やイスラエル、北大西洋条約機構(NATO)などの航空機に脅威となりかねないとの懸念が背景にある。
ロシアはこれまで地中海東部で定期的に海軍戦力を誇示してきた。シリアのタルトス港にはロシア海軍の燃料補給拠点もある。
シリア内戦では、反体制派に肩入れする欧米諸国で最近、武器支援論議が高まっている。アサド政権寄りのロシアは反体制派への武器供与に反発する一方、S300などの兵器供与は内戦激化前の契約事項として実行する構えを見せている。