拉致された移民165人を救出、数週間監禁後 メキシコ
(CNN) メキシコ内務省は6日、北東部タマウリパス州で、犯罪組織に拉致されていた165人の移民を救出したと発表した。
被害に遭ったのは米国に向かう途中の移民で、うち155人はエルサルバドルやグアテマラなどの中米諸国出身。14人はメキシコ人で、1人はインド人だったという。
移民たちは1軒の家に押し込められ、劣悪な環境下で2~3週間、拘束されていたという。
「被害者らによれば、米国に入国する予定が、意志に反して(犯人たちに)身柄を拘束されたという。犯罪組織が電話で被害者の親族に接触、金を送るよう要求したようだ」と内務省の広報官は述べた。
密入国を仲介するはずの業者が、移民たちを犯罪組織に引き渡したとみられる。この地域で活動している麻薬組織はこれまでも、移民を拉致して身代金を要求したことがある。
人権団体アムネスティ・インターナショナルによれば、メキシコでは移民が「拉致や脅迫、襲撃など、犯罪組織による深刻な数々の人権侵害に直面」している。また、メキシコの国家人権委員会によれば、2010年には6カ月間で少なくとも1万1333人の移民が拉致されたという。この年には、米国とメキシコの国境近くで72人の中南米からの移民が殺害された遺体で発見される事件も起きている。