トルコ首相「忍耐にも限界ある」、デモ10日目に突入
イスタンブール(CNN) 反政府デモが続くトルコのエルドアン首相は9日、首都アンカラや南部のアダナで支持者を前に「忍耐にも限界がある」と演説し、強気の姿勢を貫いた。10日目に入ったデモはこの日も続き、DHA通信社によれば、アンカラ中心部では警官隊が催涙ガスや放水でデモ隊に介入している。
エルドアン首相は演説の中で、「我々はこれまでも今後も我慢するが、忍耐にも限界がある。デモ隊の影に隠れてそこから政治を操ろうとしている者たちは、政治とは何かを知らなければならない。街頭の挑発のために失墜するのは我々ではなく彼らだ」と警告した。
さらに暴徒化したデモにも矛先を向け、「彼らのやることは破壊がすべてだ。公共の建物を襲撃して放火し、民間人の車を燃やした」と非難。2014年に予定されている選挙を念頭に、「民主主義や自由は暴力では達成できない。法の枠内でのみ達成可能だ」と訴えた。
トルコの反政府デモは5月31日に始まり、エルドアン首相に不満を持つさまざまな層に拡大した。治安部隊がデモ鎮圧のため強硬手段に出たことは国外からも批判を浴び、首相と与党公正発展党(AKP)はかつてない難局に直面している。
デモ隊側は9日までに2人が死亡。1人はイスタンブールで車にひかれ、もう1人はシリアとの国境に近いアンタキヤで何者かに撃たれて死亡した。
一方、アダナの当局によれば、先週には警察幹部1人が橋から転落して死亡した。医療団体によると、過去1週間の負傷者は4300人を超えている。