靖国参拝――戦没者の追悼と近隣諸国からの非難と
テンプル大学ジャパンキャンパス・アジア研究学科のジェフリー・キングストン教授は、靖国神社を「戦争を反省しない歴史観」の守り神が宿る「グラウンド・ゼロ」と呼び、「ただ戦没者に敬意を払うためにだけ靖国を訪れるというのは、正直な説明ではない」との見方を示す。
「保守派が参拝を支持するのは、それが日本の戦争犯罪は正当化できるという意見を象徴しているだからだ。反対に一部の新聞が参拝を批判するのは、まさに参拝の意図する政治的ダメージを懸念するからだ」と、同教授は語る。
朝日新聞は社説で、安倍首相に「多くの国民が心静かに思いを捧げることができ、外交的な摩擦を招くことがないような、新たな戦没者追悼のあり方」を検討すべきだと呼び掛け、首相らの靖国参拝に「賛成することはできない」と言明した。
20日に参拝した古屋圭司国家公安委員長兼拉致問題担当相は、「近隣諸国を刺激しようなどという意図は全くない」と語る一方、「国のために命をささげた英霊に哀悼の誠をささげ、平和への誓いを改めて表することは国会議員としての当然の責務だ」と述べた。
中国当局は、駐中国日本大使を呼んで抗議した。韓国外務省の報道官も「深い懸念と遺憾」を表明した。政治家の参拝とそれに対する外国からの抗議は、これまで何度も繰り返されている。