医師や聖職者も銃の携帯OK、フィリピンで改正法施行
(CNN) フィリピンで医師や聖職者、記者、会計士などが勤務中に銃を携帯することを認める改正銃規制法が1月から施行された。
同法は昨年5月にアキノ大統領の署名で成立した。医師などのほか、看護師、エンジニア、銀行の窓口係、弁護士を「職務上、差し迫った危険にさらされる」職業と認定し、外出時に小型の銃の携行を認めている。
改正前は、実際に身の危険にさらされていると証明できた場合に限って銃の携帯を認めていた。
特別許可を得るためには薬物検査や心理テストを受け、禁錮2年以上の刑罰を伴う犯罪歴がないことを証明する必要がある。銃所持免許の取得や銃の登録も義務付けられる。
無免許で銃を所持した場合の刑罰は、禁錮30年以上に強化された。
ジャーナリスト保護団体によれば、フィリピンは世界の中でも特に記者の殺害が多く、1992年以来の犠牲者は74人に上る。その大半は政治担当記者で、70%以上は犯人がつかまっていないという。
国家警察によると、同国で登録されている銃火器は120万丁。無届けの銃火器は推定数十万丁に上る。銃を使った犯罪も多く、今年の新年だけでも少なくとも30人が負傷、幼児1人が流れ弾に当たって死亡した。
当局は、法改正によって銃の利用規制が強化され、銃が絡む犯罪の減少につながるとの期待を示している。