ウガンダの「反同性愛法案」、大統領が署名へ
カンパラ(CNN) ウガンダで同性愛行為を厳しく罰する「反同性愛法案」が成立する見通しとなった。法案は昨年末に議会を通過し、ムセベニ大統領が15日、署名する方針を明らかにした。
ムセベニ大統領は与党・国民抵抗運動(NRM)の会合で、同法案を巡る議論は終結したと宣言し、「政治的ではなく科学的な理由」に基づいて法案に署名すると表明。国際社会の「同性愛ロビー」と闘うことも辞さないと述べ、支持者から喝采を浴びた。
同国では多くのアフリカ諸国と同様、もともと同性愛が禁止されているが、欧米文化の影響による家族制度の崩壊を懸念した保守派議員らが2009年、一部の同性愛行為に死刑を適用する法案を提出した。これに対し、旧宗主国の英国などが援助中止を警告するなど、国際社会の非難が集中。法案はいったん棚上げされたものの、昨年11月、最高刑を終身刑とする修正案が議会を通過した。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、新たな法案は終身刑を科すケースとして、同性愛行為のうち一方がエイズウイルス(HIV)に感染している場合や「連続犯」、未成年者との性行為を挙げている。
ムセベニ大統領は先月、同性愛者は「病人」だとして助けが必要だとの立場を示し、法案への署名をいったん拒否していた。その後科学者らに意見を聴いた結果、「同性愛は生まれつきではなく単なる異常行動」との答えが得られたため、署名を決めたとしている。
米ニューヨークに拠点を置く人権団体、憲法権利センター(CCR)は、法案が憎悪をあおり、多くのウガンダ国民を危険にさらすことになると警告。「国際社会にはこの法律の施行を阻止する法的、道義的な責任がある」と呼び掛けている。