メキシコ麻薬組織の最高幹部、米との共同作戦で拘束
(CNN) メキシコ最大級の麻薬組織、シナロア・カルテルの最高幹部、ホアキン・グスマン容疑者(56)が北西部マサトランのホテルで拘束されたことが23日までに分かった。米捜査当局者がCNNに語ったところによると、同国海兵隊と米麻薬取締局(DEA)が約1カ月前から共同作戦を展開していた。
メキシコ当局は過去数カ月間にわたってシナロア・カルテルの掃討作戦を実施し、幹部ら数人を殺害、拘束した。この過程で得られた情報を基に、両国がグスマン容疑者の行方を追っていた。
ペニャニエト大統領はツイッターで治安当局の業績をたたえた。ホルダー米司法長官は「歴史的な成果であり、メキシコ、米国の両国民の勝利だ」と評価した。
グスマン容疑者が築いた「麻薬帝国」の勢力は北米や欧州、オーストラリアまで及ぶ。同容疑者はメキシコだけでなく、米国でも麻薬密輸や組織犯罪の罪に問われ、米政府は同容疑者の拘束につながる情報に500万ドル(約5億円)の賞金を懸けていた。
グスマン容疑者は01年、メキシコ国内の重警備の刑務所から洗濯かごに隠れて脱出し、当局者らに多額の賄賂を渡して逃亡を続けていたとされる。
米経済誌フォーブスが発表する「世界で最も大きな影響力を持つ人物」のランキングにも09年から名前が挙がり、総資産額は10億ドルを超えると推定されていた。