オバマ大統領がロシアに警告 「軍事介入は代償を伴う」
ウクライナ・シンフェロポリ(CNN) ウクライナ南部クリミアで緊張が高まる中、オバマ米大統領は2月28日、ホワイトハウスで声明を発表し、緊迫するウクライナ情勢について懸念を示すとともに、ロシアに対し、クリミアから撤退しなければ重大な結果を招く恐れがあると警告した。
オバマ大統領は、「ロシア連邦がウクライナ国内で軍事行動を取っているとの報道に深い懸念を抱いている」と述べ、「これはウクライナの独立、主権、国境を尊重するとのロシアの公約に反し、また国際法にも反することは明白だ」と付け加えた。
またオバマ氏は、ウクライナの主権と領土の侵害は情勢を一層不安定化させるとし、米国はウクライナにおけるいかなる軍事介入も代償を伴うとする国際社会の立場を支持すると述べた。
6月にロシアのソチで主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)の開催が予定されているが、ある米政府高官は、ロシア軍がウクライナにとどまった場合、オバマ大統領はサミットへの参加見送りも検討すると語った。
またケリー米国務長官は、28日朝にロシアのラブロフ外相と電話会談を行ったことを明らかにした。会談の中でラブロフ外相は、ロシアは「ウクライナの主権を侵害する行為は一切していない」と主張。またロシアはウクライナとの間に軍事基地に関する合意があり、軍事演習も事前に予定されたもので、ウクライナ情勢とは無関係と述べたという。
ケリー氏は、「現在のロシアの行動は誤解を招く恐れがあり、すでに緊張が高まっている現状においては、誰もが情勢を煽ったり、誤ったメッセージを送ったりしないよう極めて慎重になることが重要だとはっきり伝えた」と語った。