2月の総選挙は「無効」、タイ憲法裁が判決 やり直しへ
(CNN) タイの憲法裁判所は21日、2月2日に行われた総選挙で一部の選挙区で投票が行われなかったことについて、「投票は全国で同じ日に実施されなければならない」と定める規定に反するとして、6対3で総選挙を無効とする判決を下した。
総選挙では、野党側が投票をボイコットし、さらに反政府デモの拡大により28の選挙区で候補者が出ず、投票が行われなかった。これらの選挙区では、後日投票が実施されると見られていた。しかし憲法裁の判決は上訴できないため、総選挙はやり直しとなる。
この選挙は、インラック首相が昨年12月、政治不安を解消するために実施を発表した。インラック政権はおおむね安定していたが、昨年11月、インラック首相の兄で、2008年に実刑判決を受け、現在、海外逃亡中のタクシン元首相も対象とした恩赦法案を可決させようとしたことがきっかけで、反政府運動が起きた。
タイでは01年以来、選挙でタクシン派の勝利が続いているが、反政府デモ隊は、選挙によらない「人民議会」を設立し、そこに政治・選挙改革を行う権限を与えるよう要求している。
2月2日の総選挙では、最大野党の民主党がボイコットし、多くの選挙区でデモ隊が票の集計や有権者登録を妨害したため、選挙結果を確定できず、議会を再開できない状態が続いている。
抗議デモが始まって以来、これまでに20人以上が死亡し、数百人が負傷した。インラック政権の支持派(赤シャツ隊)は今週末、パタヤ市で集会を開くと発表しているが、今回の憲法裁の判決を受け、参加者が大幅に増えそうだ。