シチリア島沖で移民730人を救助 イタリア海軍
(CNN) イタリア海軍は2日、シチリア島南方の地中海で船2隻から移民730人を救助したと発表した。
730人には女性124人と子ども29人が含まれていた。船は定員を大きく上回る人々を載せて浮力を失っていたうえに、移民たちは救命胴衣を与えられていなかったという。
イタリアは北アフリカからの移民たちにとって欧州連合(EU)諸国への「玄関口」の1つだ。
地中海のシチリア島やランペドゥーサ島の周辺海域では、粗末な船に大勢が乗り組んで地中海を渡ろうとする移民たちが難破する例が相次いでいる。
イタリア当局によれば、今回の船にはエリトリアやソマリアなどのアフリカ諸国の人々のほか、内戦状態にあるシリアからの移民も乗っていたという。
EUの域外との国境管理を担当する欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス)によれば、昨年7~9月にシチリア島沖で発見された不法移民は1万2000人以上。ランペドゥーサ島周辺海域では8000人に上った。リビアから来た船が多かったという。
昨年10月にはランペドゥーサ島沖で移民の乗った船が難破し、300人以上が死亡する事故も起きた。これを受けてEUでは移民政策の見直すべきだとの声が上がっている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)をはじめとする国際機関は、移民問題の根本原因に対応する政策や、危険な渡航に代わる合法的な代替策を検討するよう各国政府に求めている。