船内に空気残る空間、生存者の可能性も 韓国船沈没
(CNN) 韓国南西部の珍島(チンド)付近の黄海上で16日朝起きた同国旅客船「セウォル号」の沈没で、救助当局は17日までに、横転した船体の中に空気が残る隔離された空間があり、生存者がいる可能性があるとの期待を示した。
同船の船体のうち、海面上に突き出ている部分は極めて少ない。
米海軍の海難救援当局者はCNNに対し、同船の画像などの分析で、海面上にあり、浸水を受けていない一部の船体部分は明らかに存在すると指摘。「エア・ポケット」と呼ぶこの空間には空気が残っているとみられると述べた。
その上で、このような空間を調べるための問題点は、水温の高低と救助隊員を送り出す方法であると語った。
セウォル号の沈没海域での生存者救出作業は、強風、霧や潮流などが原因で容易ではないとされる。海事専門家はCNNの取材に、沈没の原因次第では船内に大規模な浸水が起き、空気が残る隔離空間を減らす恐れがあると指摘。しかし、同号の全長が約152メートルで、海中にある船体部分の深さが約21~34メートルと推定されることを踏まえれば、隔離空間があり生存者がいる可能性が高いと分析した。
沈没で船内に閉じ込められているとみられる乗客が両親や親戚らに送ったとされる携帯メールなども報じられており、船内に生存者が残っていること示唆している。
韓国当局によると、17日時点で確認された犠牲者は9人。救出済みの乗客は179人、不明者は287人となっている。乗客総数は475人だった。ソウルの高校生300人以上が乗り込んでいた。