パレスチナの段々畑が世界遺産に イスラエルは分離壁を計画
(CNN) 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は22日までに、中東カタールのドーハで会合を開き、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸にあるバティール村を世界文化遺産に登録した。委員会はまた、同村を危機に直面し保護が必要とする遺産リストにも入れた。
同村はベツレヘム近郊にあり、約2000年前のローマ時代に造成されたとする段々畑や灌漑(かんがい)システムが残る。村民は灌漑システムを共有し、段々畑でオリーブやブドウなどを今も栽培している。
しかし、イスラエルが同村を通ってテロ対策用とする分離壁の建設を計画していることが判明し、パレスチナ自治政府は世界文化遺産に指定するよう緊急要請を行っていた。ユネスコの声明によると、壁が出来た場合、地元の農民が過去数世紀にもわたって育ててきた畑に近付けない事態も生じかねないという。
パレスチナ自治区での世界遺産登録は、ベツレヘムの聖誕教会と巡礼の道に続いて2件目。同教会はイエスの生誕の地とされる。