米軍、モスル近郊を空爆 ダム奪還作戦を援護か
バグダッド(CNN) 米軍は16日、イラク北部モスルとアルビル近郊で、イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国(IS)」の装甲車を空爆した。IS支配下にあるモスル・ダムの奪還作戦への援護だったとの情報もある。
モスル・ダムはモスル市街の北約50キロのチグリス川に建設されたイラク最大の水力発電施設。今月初めに激しい戦闘の末、ISに制圧された。ダムが決壊したり、ISが水門を開いたりした場合、首都バグダッドまで及ぶ大規模な洪水が起きる恐れがある。
米軍はモスルとアルビル近郊で戦闘機と無人機による空爆を計9回実施したと発表したが、詳細は明らかにしていない。
現地の治安を担うクルド人部隊、ペシュメルガの将官が匿名でCNNに語ったところによると、米軍の空爆は16日早朝に実施され、同時に地上でペシュメルガの部隊がダム奪還作戦を開始したという。
これに対してペシュメルガの報道官は、米軍の空爆を認める一方、地上部隊による作戦は否定した。
イラクのハキム国連大使は15日、ISに対する米軍の空爆強化を要請していた。
米軍は、15日にISに襲撃されたクルド系少数宗派ヤジディ教徒の村、北部コジョの付近でも空爆を実施したと発表した。ISはコジョで80人以上の男性を殺害、100人以上の女性を拉致したとされる。
コジョ襲撃の規模はさらに大きかった可能性もある。ヤジディ教の指導者は英テレビ局とのインタビューで、男性350人が殺害され、女性や子どもら1000人が拉致されたと述べた。