スンニ派モスクに襲撃、65人死亡 イラク
バグダッド(CNN) イラク北東部ディヤラ州で22日、イスラム教スンニ派のモスク(礼拝所)がシーア派民兵と見られる武装組織に襲撃され、65人が死亡した。また当局によると、少なくとも17人が負傷したという。
イラクの捜査当局はまだ実行犯を特定していないが、スンニ派のサレフ・アルマティク副首相は、今回の襲撃はイラク治安部隊と連携してスンニ派過激組織「イスラム国」と戦っているシーア派民兵によるスンニ派に対する一連の攻撃の一環だとし、イラク政府は事件の捜査を行い、実行犯に責任を取らせなくてはならないと述べた。
また、あるスンニ派議員によると、襲撃のあった22日朝、モスクには約150人の礼拝者がいたという。同日、この襲撃前にイラク治安部隊の車両を狙って道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発する事件が起きており、同議員は、モスク襲撃はその報復と見られるとしている。
現在、イラクでは新政府樹立に向けた交渉が行われているが、スンニ派政党関係者によると、今回の襲撃事件を受け、スンニ派議員らは交渉から撤退し、実行犯が逮捕されるまで交渉に戻らないという。
しかし米国と国連は、イラク国内の宗派間分裂がイスラム国の支配を許しており、統一政府の形成こそが現状を打破する唯一の方法だとして、新政府形成に向けた努力を継続するよう求めている。