ワクチンに筋弛緩剤混入か、乳幼児15人死亡 シリア
(CNN) シリア反体制派が制圧する北西部イドリブ県の診療所で、はしかの予防接種を受けた乳幼児少なくとも15人が死亡し、50人あまりに健康被害が出ている。死亡したのは全員が2歳以下の子どもだという。
はしかのワクチンを提供していた世界保健機関(WHO)とユニセフは17日、事実関係について調査する間、イドリブとデリゾールの両県で予防接種を中止すると発表した。
WHOによると、これまでの調査の結果、子どもが死亡したのはワクチンに誤って高濃度の筋弛緩剤を混入した人為ミスが原因とみられ、事件性はないとの見方が強まっている。
ワクチンと筋弛緩剤は同じ冷蔵庫で似たような容器に入れて保存されていたという。
反体制派の活動家によると、子どもを失った親や地元当局は、予防接種にかかわった医療従事者の訴追を求めている。
シリア外務省はこの問題について、責任は「武装テロ組織の指導部」と「それを支援するトルコ政府」にあると非難。シリア政府が国連に宛てた書簡では「おぞましい犯罪」と形容し、子どもたちが「腐った毒入りのワクチン」を投与されたと主張した。
シリアは長引く内戦の影響で、はしかなどの感染症が広がる問題にも直面している。WHOとユニセフは2012年、シリア政府の統制地域にはしかのワクチンを提供すると発表。13年には北部で少なくとも7000人がはしかに感染したとする国境なき医師団の報告を受け、反体制派の制圧地域でも対策に乗り出していた。