ISIS、異教徒の性奴隷扱いを「正当」と主張
(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」は12日発行のオンライン機関誌で、異教徒の女性を性奴隷として扱うことはイスラム法(シャリア)上、正当な行為だと主張した。一方で、一般のイスラム界は、こうした解釈はイスラム法を曲解したものだとして認めていない。
ISISは「ダビク」と題した英語機関誌の第4号に、「奴隷制の復活」を宣言する記事を掲載。「異教徒の家族の女性を性奴隷とすることは、イスラム法の確固たる解釈として認められている」と述べ、イラクのクルド系少数宗派ヤジディ教徒の女性を捕らえて性的に支配する行為は正当だとの見解を示した。
ISISは今年8月、イラク北部でヤジディ教徒が住む村や町を襲撃した。住民数万人を追い出し、拉致した女性たちを「戦利品」として売り飛ばしたり、メンバーに分け与えたりしたとされる。こうした行為にはイスラム社会を含む全世界から非難が集中している。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは12日、ヤジディ教徒に対するISISの「恐ろしい犯罪」について、避難民76人への聞き取り調査に基づく報告書を発表した。
報告書によると、ヤジディ教徒の女性は改宗や結婚を強要され、性暴力を受けたり性奴隷として扱われたりした。この中には未成年の少女たちも含まれているという。
ISISの機関誌は56ページに及ぶ。あるページには「クルド人部隊虐殺」の現場として迷彩服姿の遺体の写真を載せ、次のページでは「イスラムの奉仕」と題して高齢者施設や小児がん病院の写真を紹介している。
殺害ビデオが公開された米ジャーナリスト、故スティーブン・ソトロフさんや、現在も人質となっている英ジャーナリスト、ジョン・キャントリーさんが書いたという文章も掲載されている。