フセイン元大統領の墓地、破壊される イラク
イラク・バビロン(CNN) イラク中部ティクリートの奪還を目指すイラク軍とイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の戦闘で、サダム・フセイン元大統領の墓地が破壊されていることが17日までに分かった。
ISISはこれまでモスルの文化財やハトラ遺跡など古代遺産の破壊を続けてきた。しかしフセイン元大統領の墓地がどちらに破壊されたのかは分かっていない。
ティクリートはフセイン元大統領の出身地。破壊された墓地は、激しい戦闘がやんで郊外の町アワジャに移動した政府軍が発見した。ユーチューブには残骸の上を歩き回ったり記念写真を撮ったりする兵士たちの映像が投稿されている。がれきに向かって発砲する兵士もいた。
一方、5000年前のメソポタミア文明が栄えた古代都市バビロンは、ISISの勢力圏外にあって被害を免れている。
イラクの古代遺跡は国民の心の拠り所でもある。しかし2003年の米軍の進攻以来、盗難が相次ぎ、首都バグダッドの博物館からは貴重な収蔵品が略奪されて世界中に密輸された。
米国務省は16日、米国に持ち込まれた60点以上の収蔵品などを返還すると発表した。