イタリア漂着の難民激増 8480人救助、400人不明か
ローマ(CNN) アフリカや中東から欧州を目指す難民を乗せた船の沈没事故が激増している。イタリア沿岸警備隊は、10日から13日の間に8480人を救助したことを明らかにした。13日だけで遭難船20隻からの救難信号を受信したという。
子ども支援団体「セーブ・ザ・チルドレン」の広報は14日、アフリカ北部リビアの沿岸から約130キロの地中海上で、550人を乗せた船が沈没し、400人が行方不明になった可能性があると語った。
ただ、イタリア沿岸警備隊はこの船の沈没については確認できていないとした。船舶や航空機を使った捜索では生存者も犠牲者の遺体も発見できず、沈没したとされる船の形跡も見つからなかったという。
地中海を横断してイタリアにたどり着く難民は急増を続け、沿岸警備隊の出動回数も増えている。
国際移住機関(IOM)によれば、今年1~3月にイタリアに漂着した難民は1万人を超え、4月に入っても最初の週末だけで約2000人がシチリア海峡で救助された。
ほとんどの難民は西アフリカ諸国やソマリア、シリアから、リビアを経由して来るという。
今年に入って少なくとも480人が地中海を航行中に、悪天候や密航手引き船の過密状態が原因で命を落とした。船長や船員が船を捨て、乗船者が自分たちだけで航行を強いられることもあるという。